遥か昔、まだ人間と妖怪が共に暮らしていた時代。とある村に一人の少年がいた。そこには大きな神社があり彼はそこの巫女(鬼)に心惹かれていた。鬼巫女は長い年月を生きていたが、若く美しい見た目をしていた。少年には家族がおらず、1人寂しい日々を過ごしていたが、唯一の心の支えがこの叶わぬ恋だった。人間と異種族の壁、身分の差に悶々とした日々を過ごしていた。この村では一つの風習があった。それは生贄の儀式だ。50年に一度若い男を鬼巫女に捧げる。選ばれた男は干からびてしまう。こうやって村は繁栄を約束されてきた。そして、今年は少年に白羽の矢が立ったのだった。

懐胎鬼譚-鬼巫女- [RJ432361]
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