セレヌス大陸の西方に位置する堕落と淫欲の都市――『奉仕国家』
建国より百余年、この国は今、繁栄と退廃の頂点に達していた。圧倒的な‘魅了’の異能を持つ大姦婦ラドミラは、その力で奉仕国家を掌握、女帝として享楽に耽る日々を送り、近隣諸国には、快楽の贄としての『人狩り』を行い、略奪と悲劇の連鎖が繰り広げられていた。
そんな中、これ以上の悪徳を許さない多くの国々が団結し、反奉仕国家を掲げる『神聖同盟』を結び立ち上がる。同盟軍の勢いは奉仕国家を圧倒し、奉仕国家を包囲するまで追い詰めることに成功する。
だが、その前に一人の男が立ち塞がった。建国の父、傭兵王ヴォルトの再来と噂される奉仕国家の騎士団長、ディレク・ロンド。ラドミラの命に従い、奉仕国家を包囲する同盟軍を撃破し、追撃を行うディレクだったが、その心に宿す真の野望は【王位の簒奪】―――。
同盟軍の美姫のみならず、女帝ラドミラをも打倒し、全てを手に入れるため、ディレクは野望を燃え上がらせる。
