――俺はここから変わる。
――人に優しく生きる。
――具体的には、一日一善くらいを目指すんだ。
とある事情から『人に優しく生きること』を心に誓った主人公吾妻悟。両親の離婚で一度は去ったこの町、「河江」で心機一転、一人暮らしを始めることに。チンピラに絡まれていた大家の娘さん海道美琴を助け……。たった一人で畑を耕す園芸部部長狩野 みなとの手伝いをして……。放課後は人手の足りないミリタリーショップの看板娘結月悠とアルバイト……。一見順調に見えた悟の人助け生活。しかし学園の生徒会長・瑠莉の時だけは何かが違った。初遭遇の翌日、悟の前に再び彼女が現れる。さてはお礼を言いにきたんだな?と追いかけていくと……
ズボッ、と。
悟の下半身が土に埋まる。
「……落とし穴?」
パシャリ。
瑠莉は悟のマヌケな姿を写真にとって去っていく。
助けたはずなのに、この仕打ち。
「俺……なにか恨まれるようなことしたっけ?」
数年ぶりに戻ってきた故郷での新生活は、波乱の予感――